豆小僧の冒険
まめこぞうのぼうけん
初出:「赤い鳥」1925(大正14)年1月分量:約10分
書き出し:一昔、或《あ》る大きな山の麓《ふもと》に小さなお寺がありました。小さな和尚さんと、小さな小僧とたつた二人さみしくそこに暮してをりました。お寺のそばには小さな村がありました。小さな村の人たちは、小さなお寺と、小さな和尚さんと、小さな小僧とのことを、豆寺《まめでら》の豆和尚《まめをしやう》さんと豆小僧《まめこぞう》とよんでゐました。小さなお寺ですから用事も沢山はありません。毎朝仏様にお勤《つとめ》がす...