安吾が、現代に生きていたら、そして、自爆テロの事件が絶えない社会のなかにあったら、どのように世界を解釈し、どのようにその心情を表現してくれるのだろうか。日本の特攻隊員におけるこうした素晴らしい分析に感動しながら、そう思いました。(60代の男)
特攻隊=愚策、特攻隊の人達は悲惨な被害者のイメージであるが、彼らは彼らなりに生きていた。
大義を持って死んだ兵士たちは美しいがその行為は美しい訳では無い
どれだけ言葉を並べてもそこに美しさを見出すのは出来なかった。
初めは、作家自身はその立場になっても特攻を希望するのか、知りたかったが読み終えて、そんな気持ちでいいのではないか。と思った。特攻隊員の苦悩や哀しみも含め桜木のようにやはり美しい側面を特攻はもっている。日本人ならその美的感覚は誰しもあるのではないだろうか。だから彼らの遺書は涙を誘う。 私個人はその美的なものより、命を捨てる恐怖と懊悩にシンクロしてしまう。特攻隊の話はあまりにも苦しい。 知らない方が良かったと思うほど。 戦争も特攻も繰り返してはいけないものだが、散っていった彼らの死は決して無駄死にではない。軍神というより、今ある私達の大恩人だ。 しかし、特攻攻撃を受けたアメリカ兵の犠牲の多くも忘れてはならない。
先の戦争における日本という国の一面に限った、それも坂口安吾の主観的な解釈であるが、とても美しい解釈であると感じました。 あくまで戦争への嫌悪を鮮明にしつつ、特攻隊として散っていった方々への敬意がにじみ出ています。 私個人がもとよりこのような考え方を受け入れやすい考えを持っていたというのもありますが、日本人の誇りというものを伝えようという強い意思を感じ、背筋が伸びる思いです。 彼らのためにも、これからも平和が続きますように。
短くて読みやすい。特攻隊に対する見方が変わった
面白い