牧野信一
父と息子が父の妾の飲屋で酒を交わし、そこで母と息子の女房の悪口を言うなんて、一般的などこの家庭でもある光景ではない。異常な世界。不倫ありきの文学。男の文学か?男尊女卑の旧日本的感覚の小説だ。生まれる子どもも最初から男なのだ! 自分の細君もおとなしく慎ましい女房であったらと思うことは正直ある。 男だもの・・・・・・