「父を売る子」の感想
父を売る子
ちちをうるこ
初出:「新潮 第四十巻第五号」1924(大正13)年5月1日

牧野信一

分量:約25
書き出し:彼は、自分の父親を取りいれた短篇小説を続けて二つ書いた。或る事情で、或日彼は父と口論した。その口論の余勢と余憤とで、彼はそれ迄思ひ惑うてゐたところの父を取り入れた第一の短篇を書いたのだ。その小説が偶然、父の眼に触れた。父親は憤怒のあまり、「もう一生彼奴とは口を利かない。——俺が死ぬ時は、病院で他人の看護で死ぬ。」と顔を赤くして怒鳴つたさうだ。だから彼は、それを聞いて以来、往来で父の姿を見かけると慌...
更新日: 2017/10/29
芦屋のまーちゃんさんの感想

父と息子が父の妾の飲屋で酒を交わし、そこで母と息子の女房の悪口を言うなんて、一般的などこの家庭でもある光景ではない。異常な世界。不倫ありきの文学。男の文学か?男尊女卑の旧日本的感覚の小説だ。生まれる子どもも最初から男なのだ! 自分の細君もおとなしく慎ましい女房であったらと思うことは正直ある。 男だもの・・・・・・