「旅の日記」の感想
旅の日記
たびのにっき

長塚節

分量:約21
書き出し:一九月一日金華山から山雉《やまどり》の渡しを鮎川の港までもどつた。汽船で塩竈へ歸らうとしたのである。大分まだ時刻があつたので或旅人宿の一間で待つことにした。宿には二階がある。然し其案内されたのは表の店からつゞいた二間のうちの一間である。他の一間には宿の娘らしい紺飛白の衣物を着た十六七の子が針仕事をして居るのであつた。余は旅裝がみすぼらしいので何處の宿でも屹度待遇は疎末なのである。それでも余の座敷だ...
更新日: 2025/06/17
65c8aadc88adさんの感想

双之川喜1941  この 紀行文は  面白い にも ほどが ある。どこかの おばさんが 著者を ペースメーカー代わりに 勝手に 決め込んだ らしく 追い払ったり したわけでは ないけど えんえんと 一定の 距離を 保ちながら ついて来る。試しに わき道に それて 見たら しばらくすると いつのまにか 後ろに 付いてきた。話しかけてくる わけでも なく なにやら 追っても 追っても ついて来る ワンコの ようでもあり 吹き出した。また 旅の 弁当の 仕度を 所望したら 何も 無いから 生卵でも 良いかと 聞かれたので やむなく 受け入れ 潰れないように 新聞紙で 包んで 腰に ぶら下げて 旅を 続けたという。醤油は どう したのか 書いてないので わからない。風景を 描き 巧で ある。