瓶の中に 手紙を入れてて海中に投じ 後日 それを拾った ところから 物語が始まるという設定は 無いわけではない。 海賊に襲われて 他の者は 皆殺しにあい 一人だけ 船で氷に乗り上げて 昔の 宝船に行き当たると言う 筋である。 数十枚の毛布を被って 寒さをしのぐ などは 如何にも 不自然であるけど まあいいかと感じた。
冒険の舞台は、海底、宇宙そして南極、そうそうジャングルと、これが書かれた明治期であっても、現代でも変わっていない。今回は陸地でありながら現代でも、行くのが困難な南極が舞台となる。 パスポートを持たない私にとっては、日本国内であっても何処か行く事が冒険になる。初めての店でさえ、ボッタクリに会わないだろうか等と用心するのだから。冒険者はその辺りからも、私と異なるので羨ましい。この冒険記の記録者もまた、ツワモノである。 見るからに怪しい漁船に便乗するあたりから、様々な危機を予測させる話が展開されるが、全てを無視して結論に至る押川春浪氏ならではの作法なのであろう。 とりあえず、読み終えた感はある。