「街上スケツチ」の感想
街上スケツチ
がいじょうスケッチ
初出:「文藝春秋 オール讀物号 第一巻第三号」文藝春秋社、1931(昭和6)年6月1日

牧野信一

分量:約4
書き出し:明るいうちは風があつたが、陽が落ちると一処に綺麗に凪いで、街は夢のやうにうつとりとした。——円タクの運転手が、今年の冬は実に長かつた!と力を込めて話しかけた後に、然しまた、これからは事故が多くなるので、浮々《うか/\》しては居られない、事故では自転車が一番多い、居眠りをしながら走つてゐるのがあるのだから……。「だが、今夜のやうな陽気だと、吾々もつい眠くなりさうだ。気をつけなければならない——」など...
更新日: 2016/11/06
芦屋のまーちゃんさんの感想

眠気の話 人間が睡魔に襲われるのは何も酒だけの理由ではない 春の日差しと肉体の疲労のハーモニー そればかりか 調子にのって機械までが眠ってしまう 交通整理機係官は眠気も覚めて、必死に修理する 気の毒ではあるが、滑稽だ 路上では自分に関わらぬことは 客観的スケッチにすぎぬ