牧野信一
わたしの 思い出では 肉桂は 子供達 相手の 駄菓子屋さん では セロファン紙に 染み込ませた ものを 売っていた。 父親は 社長 であるけど 牢に つながれていた。その息子の 金公は 嫌な奴で 肉桂を 貰いながらも 太いところは 自分で 取り ほそいのばかり よこしやがると 難癖を 付ける 虐めっ子だったことが 思い出される という。あの 香りが 立ちのぼる 香気に 充ちた 上質な 文章と 感じた。