「露路の友」の感想
露路の友
ろじのとも
初出:「文藝春秋 オール讀物号 第二巻第四号」文藝春秋社、1932(昭和7)年4月1日

牧野信一

分量:約28
書き出し:一おそく帰る時には兵野《へいの》は玄関からでなしに、庭をまはつて椽側から入る習慣だつたが、その晩は余程烈しく泥酔してゐたと見へて、雨戸を閉めるのを忘れたと見へる。朝、階下の者が慌しく兵野の寝部屋をたゝいて、「盗棒が入りました。」と呼び起された。主に兵野の衣類ばかりが紛失してゐた。彼は酒呑みで、着物のことには殆んど頓着なかつたから、それらは主に彼の亡くなつた父親からのものばかりであつた。着物の他には...
更新日: 2019/11/03
19双之川喜41さんの感想

 たまたま出会った行きずりの 酒飲み友達は  もしかしたら  自分の家から 盗みを働いていった 奴の様な 気がする。 それに気がついたにも関わらず  姿を消されると  なんとなく寂しいような気もしてくる。 アルコール依存症同士の 奇妙な友情と言うべきか。