「異性に対する感覚を洗練せよ」の感想
異性に対する感覚を洗練せよ
いせいにたいするかんかくをせんれんせよ
初出:「都新聞」1935(昭和10)年11月17日

岡本かの子

分量:約2
書き出し:現代の女性の感覚は色調とか形式美とか音とかに就《つ》いて著《いちじ》るしく発達して来た。全《あら》ゆる新流行に対して、その深い原理性を丹念に研究しなくとも直截《ちょくせつ》に感覚からして其《そ》の適応性優秀性を意識|出来《でき》る敏感《びんかん》さを目立って発達させて来た。これは新発明とか、創造とかには或《ある》いは適さぬ性質かも知れない。何故《なぜ》と言えば、余り深く一処《ひとところ》、一物《い...
更新日: 2015/06/25
めいこさんの感想

この時代における女性の意識の変遷を、筆者自身も女性でありながら、的確に評している。筆者の人生を見てみると、異性に対する感覚が優れていたかどうかは解釈が分かれるところではあるが、一本の筋が通っているのは確かだと思う。