「夏ちかきころ」の感想
夏ちかきころ
なつちかきころ
初出:「女性 第十巻第一号」プラトン社、1926(大正15)年7月1日

牧野信一

分量:約42
書き出し:一あいつの本箱には、黒い背中を縦に此方《こつち》向きにした何十冊とも数知れない学生時代のノート・ブツクが未だに、何年も前から麗々と詰つてゐる。——尤も扉には必ず鍵がかゝつてゐるが、硝子が曇りでないから、中の書籍は一|際《さい》見えるのであつた。珍らしいものは持つてゐないが殊の他の蔵書家で、書斎に続いた小さな納戸は殆んど書庫のかたちを呈してゐた。どうしてあんなノート・ブツクなどを、そんな風にならべて...
更新日: 2022/02/06
19双之川喜41さんの感想

 ショーペンハウエルを  スコペンホイール と 読み下すような 程度ではあるけど  志は 無駄に高く  虚勢を張って 生きている  何とも 不思議な 友達どうしの 付き合いの 心の襞(ひだ)を  丁寧に  愛情を込めて 書き込んでいる。 私は感動を  抑えきれなかった。