「番町皿屋敷」の感想
番町皿屋敷
ばんちょうさらやしき

岡本綺堂

分量:約88
書き出し:一「桜はよく咲いたのう」二十四五歳かとも見える若い侍が麹町《こうじまち》の山王《さんのう》の社頭の石段に立って、自分の頭の上に落ちかかって来るような花の雲を仰いだ。彼は深い編笠《あみがさ》をかぶって、白柄《しろつか》の大小を横たえて、この頃|流行《はや》る伊達羽織《だてばおり》を腰に巻いて、袴《はかま》の股立《ももだ》ちを高く取っていた。そのあとには鎌髭《かまひげ》のいかめしい鬼奴《おにやっこ》が...
更新日: 2023/05/22
鍋焼きうどんさんの感想

播磨とお菊の二枚看板が命を賭けて演じる人生の悲劇。怪談噺でお茶を濁すのではなく、武家社会の持つ不条理に翻弄された男と女のドラマとして捉えたところに読み応えを感じる。

更新日: 2020/10/26
ななさんの感想

読み終わって、これからまだ仕事があるのに涙が止まらなかった。菊はなぜ…と思うあたしの心は、男に近いのかも。 しかし、文章が美しい…この人の文を、他ももっと読んでみたい。

更新日: 2019/02/19
ことりんさんの感想

伝え聞いている話とは違っていたが、心打たれた。おどろおどろしい話ではなく、悲しい話。結果がどうであれ、信じることをやめないで、短気を起こさなければ、終わりはかなり違ったものになっていたなぁ。と思わずにはいられない。