「山寺の怪」の感想
山寺の怪
やまでらのかい

田中貢太郎

分量:約19
書き出し:宿の主将《ていしゅ》を対手《あいて》にして碁《ご》を打っていた武士は、その碁にも飽《あ》いて来たので主翁を伴《つ》れて後《うしろ》の庭へ出た。そこは湯本温泉の温泉宿であった。摺鉢《すりばち》の底のような窪地《くぼち》になった庭の前には薬研《やげん》のように刳《えぐ》れた渓川《たにがわ》が流れて、もう七つさがりの輝《かがやき》のない陽《ひ》が渓川の前方《むこう》に在る山を静《しずか》に染めていた。山...
更新日: 2019/11/04
19双之川喜41さんの感想

 山の気配 なるものに  畏怖心を持たなかったばかりに  一つ目づくしの妖怪に  嘲弄され  翻弄され 落ちるところまで落ちた 武士の話であるけど 独特の 雰囲気に 溢れており 味があると感じてしまった。

更新日: 2018/11/04
駄菓子かしさんの感想

禁忌を迷信と決めつけた結果がこれである。 たとえ現代であっても、伝承などを一概に否定できるものではない。 自然などに対する畏れ、敬いを忘れてはならないということを、この武士は身を持って教えてくれたのだ。