田中貢太郎
山の気配 なるものに 畏怖心を持たなかったばかりに 一つ目づくしの妖怪に 嘲弄され 翻弄され 落ちるところまで落ちた 武士の話であるけど 独特の 雰囲気に 溢れており 味があると感じてしまった。
禁忌を迷信と決めつけた結果がこれである。 たとえ現代であっても、伝承などを一概に否定できるものではない。 自然などに対する畏れ、敬いを忘れてはならないということを、この武士は身を持って教えてくれたのだ。