「厄年」の感想
厄年
やくどし

加能作次郎

分量:約103
書き出し:一故郷《くに》へ帰らうか、それとも京都へ行かうか、平三は此の問題に二日間悩まされた。同じことを積んだり崩したりして何時までも考がまとまらなかつた。彼は毎年夏季休暇には帰省するを常として居たが、今年は最初から京都で暮さうと思つて居た。それは故郷の生活の単調無為なのに懲《こ》りて居るのと、他に厭な事情もあるのと、一つは京都は彼の第二の故郷とも言ふべき土地であり、その上もう六七年も行かなかつたので、其間...
更新日: 2025/08/03
艚埜臚羇1941さんの感想

  妹さんの 葬儀の ために 帰郷する。その頃の 間に合わせの 火葬は いまでは 信じ られないような 不完全な もので 遺骸が 炉の 中から 起き上がって しまったり 焼け炉の 中に 水が 噴き 出したり することは 普通に あったらしい。今の 東京の 焼き場は すべて 某国の 資本が 入り 質の 低下は 否定できなく なってしまつた。炉が 空くまで 数週間 待ちは 当たり前で 御遺体の 保管料は 一日に 付き 数万円は 普通だと 噂されている。哀感漂う 葬儀は 金次第 ということか。