横綱
よこづな
初出:「東京新聞 第四百六十六号」1944(昭和19)年1月13日分量:約1分
書き出し:二、三年前の、都新聞の正月版に、私は横綱|男女《みな》ノ川《がわ》に就《つ》いて書いたが、ことしは横綱双葉山に就いて少し書きましょう。私は、角力《すもう》に就いては何も知らぬのであるが、それでも、横綱というものには無関心でない。或る正直な人から聞いた話であるが、双葉山という男は、必要の無いことに対しては返辞をしないそうである。お元気ですか。お寒いですね。おいそがしいでしょう。すべて必要の無い言葉で...