坂口安吾
「パパ」や「ママ」呼びは今でこそ浸透し、当たり前のように幼児に呼ばせてはいるが、昔はそう簡単に慣れるものでもなかったのだと気付かされる(個人差はあるだろうが)。 「パパママ」と両方呼べば、確かな正解が含まれており、間違いはなく、相手次第で正解がわかる。安吾先生のお子さんの自信ありげなお顔が微笑ましく、賢い呼び方に唸ってしまった。 『砂をかむような味』には、はじめての子どもに対しての照れくささと戸惑いが入り交じる「パパ」の苦悩が、ちらりと垣間見える。