「長島の死」の感想
長島の死
ながしまのし
初出:「紀元」1934(昭和9)年2月号

坂口安吾

分量:約13
書き出し:長島に就て書いてみたところが、忽ち百枚を書いたけれども、重要なことが沢山ぬけているような気がして止してしまった。長島は私の精神史の中では極めて特異な重大な役割を持っているので、私の生きる限りは私の中に亡びることがないのである。従而、今あわただしく長島の全てに就て書き尽すまでもなく、これからの生涯に私の書くところの所々に於て、陰となり流れとなって書き尽されずには有り得ないのであろう。今は簡単に長島の...
更新日: 2025/05/11
65c8aadc88adさんの感想

雙之川喜1941  仏語の 講習の 塾時代の 友人が 長島で あった。趣味は 自殺であり 首を くくる ための 縄が 切れたり しても 懲りずに 自殺を 果敢に 試み 終に 自死が 完結する。どういうわけか 安吾は 絶大なる 信頼を 得る。瀕死の 交わりで ありながら 強烈なる 印象を 読み手に 焼き付ける。しまいには 発狂して 長島の 目論みは 大団円を 迎える。不思議な 感銘が 残った。

更新日: 2016/06/18
芦屋のまーちゃんさんの感想

宿命的孤独人である天才 生きるがために自殺を企てる凄惨な男 天才は最後には発狂する 仮に治っても白痴になるという 生死をさまよいようやく長島は死ぬ 安吾の精神史の中では特異の役割が 長島にあるという 安吾とは性格も思想も違うが、どこか 引かれ合うところがあった 少なくとも、長島は家族よりも安吾を 信じた そして死んだ