「風流」の感想
風流
ふうりゅう
初出:「新潮 第四八巻第十三号」1951(昭和26)年12月1日

坂口安吾

分量:約24
書き出し:今年いっぱい、日本諸国をかなり足まめに旅行した。人家と山の多いのが、目にしみる。戦災をうけない都市が、戦災都市と同じように掘立小屋のマーケット街を新作し、屋台店で大道の半分を占領し、戦災都市の窮余の悲風をわざと再現しているのが異様であった。これを日本の風流というのかも知れんと考えた。それが流行ならば穴居住宅にまで退行するのはそう面倒なことではなく、穴の中にカストリ銀座をつくって間に合せられる風流の...
更新日: 2016/12/26
芦屋のまーちゃんさんの感想

日本を批判する者は多い。日本人自らに多い。自己否定である。戦争によって日本人としての感覚が変わらないことに嘆く。いや、一瞬変化したが戦後6年で、もとにもどってしまったのか?風流には自由がなく、凡人を寄せつけない高尚さがあるという。日本の庭は遠くから眺めるもので、欧米の公園のように芝生上で寝転ぶことは御法度だ。厳しいルールを尊守できない者では風流を味わう資格がないのだ! ともかく、安吾は日本の「暗さ」が嫌いなんだろうナ。