「新らしき文学」の感想
新らしき文学
あたらしきぶんがく
初出:「時事新報 第一七九二九号~一七九三一号」1933(昭和8)年5月4日~5月6日

坂口安吾

分量:約9
書き出し:(一)その本質に就て近年、新興芸術の名に於て幾多の文芸運動が試みられてきたが、徒らに皮相の新奇を追ふほかに為すところを知らなかつた。従来幾多の此の如き新(?)文学運動の完全な失敗は、「新らしさ」を誤らしめ、同時に文学を過《あやま》らしめた。私の考へによれば、芸術は反撥精神のあらはれであり、時代創造的な激しい意志によつて為さるべきものであると思はれるに拘らず、最近日本文学の新しい傾向は、老人の趣味に...
更新日: 2018/09/20
いちにいさんの感想

文学は作家個人による「反逆的、闘争的、破壊的」で非科学的、反社会的な問題提起という。それが、「時代創造的な意志」なのだと。 ロシヤ文学やプロレタリア文学も安吾の言うところの 「新しき文学」ではないようだ。 それらの文学は社会感情や科学的なものだからだそうだ。 ゴーゴリの「外套」などは安吾は認めないのであろうか?滑稽な作家にすぎないのか? 「風博士」が「新しき文学」なのか?