「波子」の感想
波子
なみこ
初出:「現代文学 第四巻第七号」大観堂、1941(昭和16)年8月28日

坂口安吾

分量:約46
書き出し:一「死花」といふ言葉がある。美しい日本語のひとつである。伝蔵自身が、さう言ふ。さうして、伝蔵が、死花を咲かせるなどと言ひだしたのは、波子の嫁入り話と前後してゐた。五十をいくつも越してゐない年であるから、まだ、死花には早やすぎる。けれども、芝居もどきの表現が好きな父で、その一生も芝居もどきでかためてきたから、うつかり冗談だと思つてゐると、いつ、何をやりだすか分らない。けれども、波子は、ばからしかつた...
更新日: 2022/03/03
19双之川喜41さんの感想

 死花を咲かせたがっている父親は 長女を 無趣味で実直な男と 結婚させたいので 執拗に 決心を迫る。 心理描写はよいけど 汽車の窓から蜜柑を投げる場面は どこかで 読んだような気もした。