「戦後合格者」の感想
戦後合格者
せんごごうかくしゃ
初出:「新潮 第四八巻第三号」1951(昭和26)年2月1日

坂口安吾

分量:約17
書き出し:敗戦後の日本に現れたニューフェースの筆頭は公認された日本共産党であったろう。しかし、これぐらい内容拙劣なニューフェースは他に例がなかった。完全なる無内容、それに加うるにいたずらなる喧嘩ずき、まるで人間の文化以前の欠点だけを集成して見せつけられているようであった。彼らのやった仕事の総量は、事毎に牙をむいて吠えたがる野犬の行跡に酷似しているが、人間のなすべき事には全く似たところがない。「なすべき」とい...
更新日: 2019/05/24
ハルチロさんの感想

戦後の世相評論としては、大変面白い評論であると思う。著者の、辛口であるが正鵠を射た批評には、同意したい。戦後の民衆の側から見たい“合格者”が政治的思想ではなく大衆芸能・芸術であるとするところは、鋭いと感じる。