「安吾の新日本地理」の感想
安吾の新日本地理
あんごのしんにほんちり

01 安吾・伊勢神宮にゆく

01 あんご・いせじんぐうにゆく初出:「文藝春秋 第二九巻第四号」1951(昭和26)年3月1日

坂口安吾

分量:約36
書き出し:この元日に飛行機にのった。三月ごろから内地に航空路ができるについて読売新聞で試験飛行をやった。それに乗ったのである。ノースウエスト航空会社のDC四型という四発機。四千五百メートルぐらいの高度で大阪まで往復したのだが、戦前までの航空旅行の概念とはよほど違っている。煖房は完備しているし、どういう仕掛だか空気は常に室内に充満しているし、雲海の上へでるとアスファルトの路上を高級自動車で走るよりも動揺がない...
更新日: 2021/05/07
19双之川喜41さんの感想

 旅客用の 航空路の開設は 半世紀以上前だった。 飲んべえの 安吾だけあって 松阪牛は 焼酎を口に含んで牛に吹き掛けるけど 牛飼いが 半分以上 飲んでしまうと言う。 そうなのかもしれないと感じた。

更新日: 2019/07/18
ハルチロさんの感想

旅行記、紀行文なのであるが、著者の旅日記的にも感じる。個人的には、面白く読ませて頂きました。朝鮮動乱(朝鮮戦争)時代の国内交通手段や正月の風景等が、分かる作品です。作品中に出てくる『伊勢志摩』地方の風土が、日本神話を絡めて記述されている部分は、興味深いです。特に、著者の推理ーー探偵眼視ーーする伊勢志摩の神話的風土観は、“当たらずしも、遠からず”のように感じます。