「幕末維新懐古談」の感想
幕末維新懐古談
ばくまついしんかいこだん

16 その頃の消防夫のことなど

16 そのころのしょうぼうふのことなど

高村光雲

分量:約6
書き出し:江戸のいわゆる、八百八街には、火消しが、いろは四十八組ありました。浅草は場末なれど、彼《か》の新門辰五郎《しんもんたつごろう》の持ち場とて、十番のを組といえば名が売れていました。もっとも、辰五郎は四十八組の頭《かしら》の内でも巾の利《き》く方でした。いうまでもなく、消防夫《ひけし》は鳶《とび》といって、梯子《はしご》持ち、纏《まとい》持ちなどなかなか威勢の好《い》いものであるが、その頃は竜吐水《り...
更新日: 2025/05/21
65c8aadc88adさんの感想

雙之川喜1941  その頃 江戸八百八町には 火消し組が 四十八組あった。浅草では 新門辰五郎が 十番-を 組として 仕切っていた。消防夫は 鳶と 呼ばれ 纏い持ち 梯子持ち 彼らは 威勢と 心意気の 役目だった。当時は 竜吐水(りゅうどすい)の 水は やっと 大家根に 届く 程度の 無力な もので むしろ 消防方に水を 浴びせるのが 主な 仕事であり 鳶口で 屋根に 穴を 穿ち 内部の 熱気を 上に 逃すのが 大体の 手法だった。火事の 現場には 弁当等も 運び込まれ 長期戦が 普通だった という。心がけの よい若者は 災害に 備え 枕元に 鳶刺し子 提灯 蝋燭等を 用意して 寝たという。   巻末に 浅草大火焼け跡略図 白黒図 一葉あり。