「一世お鯉」の感想
一世お鯉
いっせいおこい
初出:「婦人画報」1921(大正10)年1~3月

長谷川時雨

分量:約64
書き出し:一「そりゃお妾《めかけ》のすることじゃないや、みんな本妻のすることだ。姉さんのしたことは本妻のすることなのだ」六代目菊五郎のその銹《さび》た声が室の外まで聞える。真夏の夕暮、室々のへだての襖《ふすま》は取りはらわれて、それぞれのところに御簾《みす》や几帳《きちょう》めいた軽羅《うすもの》が垂《た》らしてあるばかりで、日常《つね》の居間《いま》まで、広々と押開かれてあった。打水《うちみず》をした庭の...
更新日: 2022/03/24
19双之川喜41さんの感想

 女性の地位向上だけではなく 大物政治家の亡き後の  妾の 地位向上にも 肩入れをしているようでもあり 昔の妾は日陰の身というよりは  日向に出てきて 今の 芸能人のような  立ち位置を  世間も 期待したようであることが 見て取れる。 臍(へそ)から下には人格はないとうそぶく向きには  たぶん 臍から上にも  人格がないのであろうと感じた。 誰でも 知っている 其総理経験者の 妾腹の息子は 今や 生活保護を 受給していると 聞く。 勿論 真偽の程は 分からない。妾の子の 地位向上には 腐心しなかったの かもしれない。