「松井須磨子」の感想
松井須磨子
まついすまこ
初出:「婦人画報」1919(大正8)年4月

長谷川時雨

分量:約53
書き出し:一大正八年一月五日の黄昏時《たそがれどき》に私は郊外の家から牛込《うしごめ》の奥へと来た。その一日二日の私の心には暗い垂衣《たれぎぬ》がかかっていた。丁度黄昏どきのわびしさの影のようにとぼとぼとした気持ちで体をはこんで来た、しきりに生《せい》の刺《とげ》とか悲哀の感興とでもいう思いがみちていた。まだ燈火《あかり》もつけずに、牛込では、陋居《ろうきょ》の主人をかこんでお仲間の少壮文人たちが三五人《さ...
更新日: 2024/04/21
19双之川喜41さんの感想

 須磨子は 時代を 風靡し 一世を 画したとも言える 偉大な 女優であった。自身の 鼻の 低いことを 気に病んで 我が国で 初めての 女優として 高鼻整形手術を 受けたという。術後の経過が 思ったほどではなく 注入した 臘が 溶けるので 絶えず 鼻頭を 冷やしていた。また 納豆が 声に 良いと 聞き込むと 大量に 食したので 藁苞(わらつと)が 物干台に 山積みに なっていたという。恋多き女でもあり 理由は 判然としないけど 若くして 自死してしまう。人生を 急いで 駆け抜けた ようにも 感じた。