「晩菊」の感想
晩菊
ばんぎく
初出:「別冊文藝春秋」文藝春秋、1948(昭和23)年11月号

林芙美子

分量:約40
書き出し:夕方、五時頃うかゞひますと云ふ電話であつたので、きんは、一年ぶりにねえ、まァ、そんなものですかと云つた心持ちで、電話を離れて時計を見ると、まだ五時には二時間ばかり間がある。まづその間に、何よりも風呂へ行つておかなければならないと、女中に早目な、夕食の用意をさせておいて、きんは急いで風呂へ行つた。別れたあの時よりも若やいでゐなければならない。けつして自分の老いを感じさせては敗北だと、きんはゆつくりと...
更新日: 2021/08/15
acf6f4ff1b74さんの感想

何か起きそうで何も起きない。 このあと、何か起きそうだけど、そんな予感を残して、話は終わります。

更新日: 2019/10/24
19双之川喜41さんの感想

 昔の男が 訪ねてくるというので  女は  昼間っから風呂に入り 化粧をし  隅々まで 手入れをし  景気つけに  酒まで飲んで  男を 迎えるけど  何のことはない 男は 他の女に やる金が必要なので 昔の女のところに  金をせびりに 来ただけであった。

更新日: 2016/08/11
80acf55cdca4さんの感想

したたかな女、万歳。 いくつになっても「女」で、物事をよく知っていて、言葉使いが優雅で、50過ぎても魅力的な女が、主人公。もうこれだけで最後まで読ませてしまう。 戦後直ぐの風俗・生活ぶりも面白い。