何か起きそうで何も起きない。 このあと、何か起きそうだけど、そんな予感を残して、話は終わります。
昔の男が 訪ねてくるというので 女は 昼間っから風呂に入り 化粧をし 隅々まで 手入れをし 景気つけに 酒まで飲んで 男を 迎えるけど 何のことはない 男は 他の女に やる金が必要なので 昔の女のところに 金をせびりに 来ただけであった。
したたかな女、万歳。 いくつになっても「女」で、物事をよく知っていて、言葉使いが優雅で、50過ぎても魅力的な女が、主人公。もうこれだけで最後まで読ませてしまう。 戦後直ぐの風俗・生活ぶりも面白い。