顎十郎捕物帳
あごじゅうろうとりものちょう
21 かごやの客
21 かごやのきゃく分量:約36分
書き出し:お姫様「なんだ、なんだ、てめえら。……客か、物貰いか、無銭飲《ただのみ》か。ただしは、景気をつけに来たのか。店構えがあまり豪勢なんで、びっくりしたような面をしていやがる。……やいやい、入るなら入れ、そんなところに突っ立ってると風通しが悪いや」繩|暖簾《のれん》をくぐったところをズブ六になった中間体が無暗にポンポンいうのを、亭主がおさえておいて、取ってつけたような揉手《もみで》。「おいでなさいまし。...