「可能性の文学」の感想
可能性の文学
かのうせいのぶんがく
初出:「改造」1946(昭和21)年12月号

織田作之助

分量:約47
書き出し:坂田三吉が死んだ。今年の七月、享年七十七歳であった。大阪には異色ある人物は多いが、もはや坂田三吉のような風変りな人物は出ないであろう。奇行、珍癖の横紙破りが多い将棋《しょうぎ》界でも、坂田は最後の人ではあるまいか。坂田は無学文盲、棋譜も読めず、封じ手の字も書けず、師匠もなく、我流の一流をあみ出して、型に捉えられぬ関西将棋の中でも最も型破りの「坂田将棋」は天衣無縫の棋風として一世を風靡《ふうび》し、...
更新日: 2025/03/20
f3c0597c7130さんの感想

丁寧に綺麗に、美術品のように書くことが文学か。 そんなようなことを書いているのだが、「小説家は嘘つき」と織田作之助自身が思っていることがとても興味深かった。

更新日: 2019/10/24
19双之川喜41さんの感想

 銀座のルパンで 太宰は麦酒 安吾はウイスキ 織田作は その後にホテルに 缶詰めになり 執筆するので コヒを飲んだ。 坂田の奇手になぞらえて 文芸の可能性を 言いつのる。 文壇を鳥瞰して 毒づくのが 話半分としても啓発されると感じた。

更新日: 2017/06/06
ed4e7115c61dさんの感想

これこそ正に無頼派を象徴する随筆ではないでしょうか? 確かに太宰治や坂口安吾も随筆は残していますが、この日本の文学を支えるにあたって、無頼派も日本文学に貢献したというのが、わかるのではないのでしょうか?