島木赤彦
極寒の冬の夜に氷の張った湖面に立ち、朝まで氷を切り続ける。想像を絶する過酷さだと思う。それでも村の人にとっては冬場の大事な仕事として当たり前のようにやっていたと思うと頭が下がる
たたき漁法は 凍結した湖面を 叩きつけて 魚を 集める。 山から見ていると 音が 届くのに 時間差があり 凄烈(そうれつ)な 寒気も いささかの 関係が あるかもしれないと思った
一葉の古い写真。ぬくもりのある記録。「文は人なり」というのなら、島木はあたたかい人だったのではないか。