「槍ヶ岳紀行」の感想
槍ヶ岳紀行
やりがたけきこう
初出:「改造」1920(大正9)年7月

芥川竜之介

分量:約12
書き出し:一島々《しま/\》と云ふ町の宿屋へ着いたのは、午過ぎ——もう夕方に近い頃であつた。宿屋の上《あが》り框《かまち》には、三十|恰好《がつこう》の浴衣の男が、青竹の笛を鳴らしてゐた。私《わたし》はその癇高い音《ね》を聞きながら、埃にまみれた草鞋の紐を解いた。其処へ婢《をんな》が浅い盥《たらひ》に、洗足の水を汲んで来た。水は冷たく澄んだ底に、粗い砂を沈めてゐた。二階の縁側の日除けには、日の光が強く残つて...
更新日: 2022/02/22
19双之川喜41さんの感想

 芥川が 蛇の目蝶▫黄花駒の爪など 植物の名称に 詳しいのに感心した。 名高い嘉門治の小屋に のそのそやって来た くろ斑(まだら)の牛は 一体 何処から 来たのだろう。 芥川の 山岳紀行文は 珍しいなと思った。