「妖婦」の感想
妖婦
ようふ
初出:「風雪 三月号」1947(昭和22)年3月

織田作之助

分量:約17
書き出し:神田の司町は震災前は新銀町といった。新銀町は大工、屋根職、左官、畳職など職人が多く、掘割の荷揚場のほかにすぐ鼻の先に青物市場があり、同じ下町でも日本橋や浅草と一風違い、いかにも神田らしい土地であった。喧嘩早く、物見高く、町中見栄を張りたがり、裏店の破れ障子の中にくすぶっても、三月の雛の節句には商売道具を質においても雛段を飾り、娘には年中派手な衣裳を着せて、三味線を習わせ、踊を仕込むという町であった...
更新日: 2022/10/10
鍋焼きうどんさんの感想

転落の物語。家庭の問題ばかりではなく、本人の資質が大きく作用しているようだ。親ならもっと自分を大事にしろと言いたい。

更新日: 2020/11/13
19双之川喜41さんの感想

 娘は 成る程 男出入りは激しく 盗みもしたけれど 妖婦と呼ぶほどのことはないと思う。 まあ 時代感覚が投影されてるということでしょう。 女湯から 男湯に乗り込んで 啖呵(たんか)を切る所は 凄いと思った。

更新日: 2020/08/05
496b7f29770aさんの感想

とある事件を基にした話らしく、ぐっと身構えて読んだが何ということはなく…… 安子はこれからどうなるのか!?という所で終わってしまった。 正直「物足りない!」と思えるのは織田作品だからだろう。破天荒(?)な安子の物語には続きがありそうだが、結末は知らなくても良いのかもしれない……。 ただ、織田先生がその顛末を書かれているなら(怖いもの見たさで)読んでみたかった気もするが……正直良いところで終わってホッとしている。

更新日: 2017/05/06
天城空さんの感想

妖婦という言葉から、どれだけすごい女の人なのかと思いながら読んだのですが、読み終わってみたら思っていたほどすごい感じはなかったように思います。 当時の感覚でいくと、男関係が派手だと結婚は難しいでしょうし、最終的に男性を相手にするような職業につくっていうのは普通?なのかもしれませんね。 ただ、芸者って水商売なんでしょうか?現代ではそんなことないと思うのですが、やはり当時はそういう考え方が当たり前だったんでしょうね。