「罪と覚悟」の感想
罪と覚悟
つみとかくご

大久保ゆう

分量:約20
書き出し:一人の獄卒が、刑務所内にある靴工場へやってくる。そのとき、ジミィ・ヴァレンタインは靴の革をせっせと縫っていたのだが、獄卒に連れられて、表の事務所へ行くことになった。事務所に入ると、刑務所長がジミィに恩赦状を手渡した。今朝、知事の手でサインされたものだった。ジミィはやっとか、というふうに受け取った。四年の刑期のうち、もう十ヶ月くらいになる。三ヶ月くらいですむものと思っていたのだ。だいたいジミィ・ヴァ...
更新日: 2024/12/25
たけちよさんの感想

金庫破りの男が、足を洗おうとした矢先に金庫に子供が閉じ込められ…、という話。 同じような話は見たことあったのでこれが原作かー、と思った。 金庫破りの男よりも、元相棒がカッコいい。幸せになる相棒を見返りなく見送れる彼に幸あれと思った。

更新日: 2024/02/05
鍋焼きうどんさんの感想

随分とあっさりした読み味でした。この物語との出会いは赤塚不二夫の「おそ松くん」で、とてもドラマチックで、涙が出るほど感動しました。いつもは悪役のイヤミですが、途中まではチビ太をいたぶっていたのに最後の意味深な態度には痛く感銘を受けたものでした。

更新日: 2023/05/15
中央原理さんの感想

純文学ではこうした今となってはありきたりな形でのハッピーエンドは敬遠されがちですけれども、ハッピーエンドなどありもしない現実を生きる私達生活者にとっては、こうした純真無垢な話は、むしろ一服の清涼剤に他なりませんね。オー・ヘンリーはやはり安心して読めます。大久保氏の訳もこなれていて大変読みやすいです。

更新日: 2022/05/01
cdd6f53e9284さんの感想

最後の締めが、アメリカの小説らしからぬ洒落た終り方で、なんだかひと昔前の人情味たっぷりのフランス映画をみているような印象だ。 アラン·ドロンとジャン·ギャバンの顔合わせで一本できそうなストーリーじゃないか。 特に、許婚の娘の父親の経営している銀行で、自慢の金庫にあやまって子供が閉じ込められてしまってからの展開の洗練された軽さは、どうだ。 自分が読んできたヘミングウェイやフォークナーのハードなアメリカ小説では、到底あり得ない終り方の選択だ。 しかし、かつて凄腕の金庫破りだった才能を、子供を助けるために婚約者である、しかも銀行家の一家の前でアカラサマにしてしまう場面などは、もう少し深刻であってもいいくらいだ。 その辺の描写が、いやに軽くて曖昧だからかもしれないが、たとえ捕らえにきた刑事の温情で見逃してもらったあと、一応自由になった男が、これからどういう人生を送ろうとするのかが、まったく想像出来ない。 どこかよその土地に行って金庫破りをやるとは、ちょっと考えられないし、ましてや、知らない町で、まっとうな暮らしをまた最初から築く気力など、この男に残っているだろうか。 この小説では、金庫破りは、まるでスポーツのようにどこまでも軽く爽やかな「技術」として描かれている。 そこがこの小説の魅力かもしれない。

更新日: 2022/02/16
19双之川喜41さんの感想

 そんなことを やってのけたら 身元が われてしまう。小さい子供が 誤って 大きな金庫の 中に 閉じ込められてしまい 酸素の 欠乏も近い。男は 婚約者を 失い 街での 信用も なくすかも しれないのに 覚悟を決め 高度な 金庫破りの技術を 駆使して 素早く 子供を 救出してのける。追跡調査していた 刑事の 振る舞いが 洒落ている。著者は 筋立てだけの 名手と 感じた。

更新日: 2021/02/07
65335a108b3aさんの感想

最高の結末。人生のどんでん返しを堪能できる短編。

更新日: 2018/03/03
まえにいさんの感想

覚悟を決めた精神は実に高尚でそれに魅せられることも珍しくない

更新日: 2018/02/26
e687d0f516d1さんの感想

ラストが清々しい。誰が読んでも面白いと思う。

更新日: 2017/07/01
b21c5725255cさんの感想

覚悟なのだ。ああ。

更新日: 2017/07/01
b70667f4fb47さんの感想

恋人の前で正体を見せた訳だが、既に真面目に靴屋をやっているのだから、なんとかなるんじゃないか?と思った

更新日: 2016/10/08
a6a82af505b6さんの感想

子どもはしっかり見ておけ。

更新日: 2016/09/24
7686d3a4e9c9さんの感想

半世紀以上も前ですが、故・赤塚不二夫が「おそ松くん」の一篇にこの作品のプロットを採用したことがありました。ジミィはチビ太で探偵ベンはイヤミ。アナベルにトト子で金庫に閉じ込められる子供には六つ子を配し好評だったのですが、しばらくして盗作(パクリ)疑惑が指摘されました。それに対し作者自身はオー・ヘンリーを尊敬していてこれは盗作などではなくパロディであると応じ、主張は平行線のままでした。当時の小学校低学年には良く分からない騒ぎでしたが中学時代に本作品を含む新潮文庫版オー・ヘンリー集を読んで、赤塚氏の主張に納得しました。当時はオマージュという言い方は一般的でなかったのですが、まさにそう称するべき作だったと今も思っています。

更新日: 2016/08/19
2ae781e1191fさんの感想

読み終わった後、人間って捨てたもんじゃないよね!と思える作品でした。素晴らしい短編です。

更新日: 2015/06/23
80a6b5c171cbさんの感想

本当にうまい。 アガサ.クリスティー、マーク.トウェイン、最近ではジェフリー.ディーバ、それにフォーサイスの短編も秀逸だが、特化してる作家としては、群を抜いている。原書で読むのも、心地よいリズムがあり、また違った面白さがある。

更新日: 2015/06/22
b7082e3c110dさんの感想

ジミィは最後になって自分の過去と訣別できたのだと思う。その直前のジミィの気持ちを考えると、すごいスリルに満ちていたと思う。 ただ、翻訳小説の難点が露骨だった。