書道が流行って、悪筆が横行している。とは、逆接的である。文字とは人工的なものであるから、自然発生的な書は最終的には人工的な書に見劣りする。とも言っておる。人工的な書とは書道のことではあるが、ただ噛った程度では駄目なのだ。「造形意識を養う(造形美に眼を開く)」ことが書を究めることのようだ。だから、書が本当に分かれば、絵画や彫刻や建築も分かる。更に文章の構成、生活の機構も分かるようになる、とのこと。 その意味では達人の書は人そのものであり、本来の文字の意味以上の意味を表すものである。所詮、凡人には縁遠い世界である。
造型美を学ぶこと それができていないで書を習う連中の 悪筆の多きを憂う 中途半端な習い事をするよりは 生まれたままの自然の字の方がいい しかし、書について、造型美を学んだ者の字は大いに結構
「悪筆は大抵余計な努力をしている」 「書を学ぶのはすなわち造形美の最も端的なるものを学ぶこと」