「書について」の感想
書について
しょについて

高村光太郎

分量:約7
書き出し:この頃は書道がひどく流行して来て、世の中に悪筆が横行している。なまじっか習った能筆風な無性格の書や、擬態の書や、逆にわざわざ稚拙をたくんだ、ずるいとぼけた書などが随分目につく。一絶えて久しい知人からなつかしい手紙をもらったところが、以前知っていたその人の字とは思えないほど古法帖めいた書体に改まっている、うまいけれどもつまらない手紙の字なのに驚くような事も時々ある。しかしこれはその人としての過程の時...
更新日: 2018/08/29
いちにいさんの感想

書道が流行って、悪筆が横行している。とは、逆接的である。文字とは人工的なものであるから、自然発生的な書は最終的には人工的な書に見劣りする。とも言っておる。人工的な書とは書道のことではあるが、ただ噛った程度では駄目なのだ。「造形意識を養う(造形美に眼を開く)」ことが書を究めることのようだ。だから、書が本当に分かれば、絵画や彫刻や建築も分かる。更に文章の構成、生活の機構も分かるようになる、とのこと。 その意味では達人の書は人そのものであり、本来の文字の意味以上の意味を表すものである。所詮、凡人には縁遠い世界である。

更新日: 2017/10/07
芦屋のまーちゃんさんの感想

造型美を学ぶこと それができていないで書を習う連中の 悪筆の多きを憂う 中途半端な習い事をするよりは 生まれたままの自然の字の方がいい しかし、書について、造型美を学んだ者の字は大いに結構

更新日: 2015/11/19
99911a78259aさんの感想

「悪筆は大抵余計な努力をしている」 「書を学ぶのはすなわち造形美の最も端的なるものを学ぶこと」