吉江喬松
双之川喜1941 伊良湖の あたりの 旧村は 村ごと 引っ越し したので かつて 使われていた 井戸だけが あちこちに 遺って おり 石の 蓋を かぶせた 今は 残がいと なった 古井戸が 散見される。足元に 赤紫色の 五弁の 花が 咲いているのは 大根の花 という。旅情を 秘めた 筆力に 詩情を 揺すぶられた。