ロボットとベッドの重量
ロボットとベッドのじゅうりょう
初出:「新青年」博文館、1931(昭和6)年3月号分量:約23分
書き出し:一「お前、本当に——心から、俺を愛しているかい。」KK電気器具製作所、ロボット部主任技師、夏見俊太郎は病に蝕《むしば》まれ、それと悪闘し、そして、それに疲労してしまった顔と、声とで、その夫人に、低く話かけた。(また——病人って、どうしてこんなに、執拗《しつこい》ものなのかしら)夫人は、頭の隅で、一寸、こう眉を、ひそめてから、「ええ、愛していますとも。」夫人の頬は、新鮮な果物のように、艶々《つやつや...