「運命のSOS」の感想
運命のSOS
うんめいのエスオーエス

牧逸馬

分量:約85
書き出し:1生と死は紙一枚の差だ。天と地の間にこれ以上怪奇な事実はあるまい。そしてその怪奇な事実を時として最も端的に示すものに、海洋ほど不遠慮な存在はないのだ。この意味で、海こそは一番の怪奇を包蔵すると云い得る。タイタニック号—— The Titanic ——の難船実話である。モザイク風に、凡ゆる角度から、出来るだけ忠実に詳細に記述して行きたい。橄欖《オリイブ》色の皮膚をした仏蘭西人の赤ん坊が二人、船室備付...
更新日: 2024/04/12
時間旅行者さんの感想

4/15はタイタニック遭難事故が起きた日だ 青空文庫にこの遭難事故を記した作品があり、読む事ができたのは僥倖だった 遭難事故により、余りに多くの人命が失われ、親子、夫婦、仲間との絆が引き裂かれた 最初で最後になったタイタニック号の航海を記した本や情報が今も世界で発信されていて、人々の記憶から忘れ去られる様子はない そして事故の要因となった人間の傲りと過信は、現在でも様々な場面で悲しい事故を引き起こしている事も忘れてはならない

更新日: 2019/10/24
19双之川喜41さんの感想

 それまでは  SOS ではなく C Q D を 使っていたとは 知らなかった。 世界も 沈没の危機を 誰も予想も心配もしていない 船みたいなもので 狂信的な 支持者に支えられた 頭の中が お花畑になっている 指導者が自信に満ちているところが  空恐ろしい。

更新日: 2018/12/06
b25b0bd2dcfbさんの感想

三つの筆名を使い分けた売れっ子作家とのこと。林不忘の名だけ知っていたので首を捻ったが確か研究室の書庫で見たはず。 タイタニック号事件に材を取っている。とても読みやすい文体、キャッチーなテーマであるし大衆向けに書かれたものだろう。海外の事件を翻訳では無く著者自身が取材し書いた実録物というのがなんとなく時勢を感じる。適度に装飾された軽妙な語り口が良い。