織田作之助
大阪への愛が見える。昔の友人を言うような気やすい口ぶりだ。大阪を離れてもつい思いを馳せてしまうのだろう。彼の文章には衒いが無い。現代のエッセイと同じように軽口で読めるのに、ふと、今は失われたような言葉の美しさが垣間見えて好きだ。
織田作之助の大阪の憂鬱は、戦争で焼け出された町の復興を闇市の姿で梅田、難波、道頓堀、天王寺を描いている。大阪の活力と持ち前の汚さを描いている。