「一片の石」の感想
一片の石
いっぺんのいし

会津八一

分量:約8
書き出し:人間が石にたよるやうになつて、もうよほど久しいことであるのに、まだ根気よくそれをやつてゐる。石にたより、石に縋り、石を崇め、石を拝む。この心から城壁も、祭壇も、神像も、殿堂も、石で作られた。いつまでもこの世に留めたいと思ふ物を作るために、東洋でも、西洋でも、あるひは何処の極《はて》でも、昔から人間が努めてゐる姿は目ざましい。人は死ぬ。そのまま地びたに棄てておいても、膿血や腐肉が流れつくした後に、骨...
更新日: 2021/11/28
e4c0eb387665さんの感想

いにしへのうたのいしぶみおしなでてかなしきまでにもののこほしき、と著者『山光集』所収「西ノ京、仏足堂(藥師寺)」の歌一首に通じるものと思う。ヘロドトスも屈強なアスリートの短命を詠嘆しているが、石塊の永続性ですら悠久の時間にスケールダウンすれば何となるかと、おおらかに捉えた心揉みほぐす一文ではないか。肝に命じようと思う。

更新日: 2020/12/31
19双之川喜41さんの感想

 石造物に 人は 永遠を託すけれど 意外に脆く 風雪に耐えて 残るものは そう多くはないと言う。 石は脆いので 紙墨に 及ばないことがあり もっと確かなものに 頼るべきと 説く。 けだし 名言であると思った。  

更新日: 2016/10/22
ひなたさんの感想

漢字が表示できてないところがあり、調べました。 なかなか勉強になりました。