藪の鶯
やぶのうぐいす
初出:「藪の鶯」金港堂、1888(明治21)年6月分量:約83分
書き出し:第一回男「アハハハハ。このツー、レデースは。パアトナアばかりお好きで僕なんぞとおどっては。夜会に来たようなお心持が遊ばさぬというのだから。甲女「うそ。うそばかり。そうじゃござりませんけれども。あなたとおどるとやたらにお引っ張り回し遊ばすものですから……あの目がまわるようでござりますんで。そのおことわりを申し上げたのですワ。男「まだワルツがきまりませんなら願いましょうか。ときれいにかざりたるプログレ...