「稀有の犯罪」の感想
稀有の犯罪
けうのはんざい
初出:「週刊朝日 特別号」1927(昭和2)年1月

小酒井不木

分量:約29
書き出し:一悲劇というものは、しばしば、まるでお話にならぬような馬鹿々々しい原因で発生するものであります。ほんの一寸《ちょっと》した出来心や、まったく些細ないたずらから、思いもよらぬ大事件を惹き起すというようなことは、よく物語などにも書かれているのであります。これから私が御話しようとするのも、やはり馬鹿々々しい原因で、三人の宝石盗賊がその生命を失う物語であります。というと、察しのよい読者は「ハハア宝石を取り...
更新日: 2019/07/29
ハルチロさんの感想

この作品の著者は、医学博士であるので、この推理小説(犯罪小説?)のトリックには、お手内の医療知識がその効果を存分に発揮している。また、司法解剖の描写も、当時の推理小説には見られないリアル感があり、面白いです。この作品の結末については、個人的には、捻りがあるものの、あっさりしている、と言った印象です。ページ数を限られてのことだから仕方がないのでしょうか。