「泡盛物語」の感想
泡盛物語
あわもりものがたり

佐藤垢石

分量:約17
書き出し:一私は、昭和のはじめ、世の中が一番不景気の時代に失職してしまった。失職当時は幾分の余裕はあったのであるけれど、食を求めて徒食している間に、持ち金悉くをつかい果たしてしまったのである。多くの家族を抱えて、職のないことは胸が詰まる思いである。東京にはあきらめをつけた。そして、東北地方のある小さな都会へ流れて行ったのである。そこで、地方新聞の配達をはじめた。しかし、百五十部か二百部の小新聞を購買し、これ...
更新日: 2023/12/30
cbeb8d424306さんの感想

心に染みる作品でした。心の揺れる様が手に取るようで、自分はどの人物だろうかと考えさせられました。貧苦は人の理性を揺さぶると思いました。善人でありたいがそうではないもう一人の自分がいることを自覚しています。だから人生は楽しいものです。