「楢の若葉」の感想
楢の若葉
ならのわかば
初出:「釣りの本」改造社、1938(昭和13)年

佐藤垢石

分量:約5
書き出し:いま、想いだしても、その時のことがはっきりと頭に浮かび、眼にも描かれる。三十五、六年前の四月二十四日のひる前であった。私は十二、三歳の少年。父は三十七、八歳。溢れるような元気に満ちた壮者であったに違いない。はやは、利根川の雪代《ゆきしろ》水を下流から上流へ上流へと遡《のぼ》ってきた。はやという魚は、おいしいとほめるほどでもないが、産卵期が近づくと、にわかに活動が盛んになってきて、頭から横腹、尾の端...
更新日: 2024/05/01
19双之川喜41さんの感想

 毎年 初夏が来て 楢の若葉が 天宝銭くらいの 大きさに 育つと 遠い 海の 方から 若鮎が 上ってくる。教えてくれたのは 著者の 亡父である。詩情溢れた 想い出と 感じた。