『三四郎』予告
『さんしろう』よこく
初出:「東京朝日新聞」「大阪朝日新聞」1908(明治41)年8月19日分量:約1分
書き出し:田舎《ゐなか》の高等学校を卒業して東京の大学に這入《はい》つた三四郎が新しい空気に触れる、さうして同輩だの先輩だの若い女だのに接触して色々に動いて来る、手間《てま》は此《この》空気のうちに是等《これら》の人間を放す丈《だけ》である、あとは人間が勝手に泳いで、自《おのづか》ら波瀾《はらん》が出来るだらうと思ふ、さうかうしてゐるうちに読者も作者も此《この》空気にかぶれて是等《これら》の人間を知る様にな...