牧野富太郎
観賞用や果物として馴染み深い植物の形や来歴について、著者の考察を交えながら軽快な筆致で書かれている。一種の紹介文毎に、筆者の描いたイラストつきである。若干のデフォルメがあるが、それがイラストの味わいを増している。 最後の10ページが印象深い。植物学の大家として、一つの学問分野に人生を注いだ著者の博愛が伝わってくる。学問を突き詰めるということは、このような真理に近づくための修行の道の一つなのだろう。