「富士はおまけ(ラヂオ・ドラマ)」の感想
富士はおまけ(ラヂオ・ドラマ)
ふじはおまけ(ラジオ・ドラマ)
初出:「文藝春秋 第十三年第二号」1935(昭和10)年2月1日

岸田国士

分量:約21
書き出し:富士を遠景に、霞のなかに浮ぶ峠の古風な掛茶屋。軒先に山桜の一株が綻び始めてゐます。茶屋の主、東定臣が、ネルのシヤツにコオルテンの半ズボンを穿き、店の前の道を鍬で平《な》らしてゐます。時々、腰を伸ばし、空を見上げるのですが、やがて、定臣ああ、やつとこの峠にも春が来た。それにしても昨日までの冬はどこへ行つた?満洲か?西比利亜か?さうだ、ここんところ、東北の饑饉騒ぎで、兵隊さんに送る慰問袋の方を、すつか...
更新日: 2015/10/19
e7f8c2ab2f05さんの感想

富士山近くの茶屋の店主の元を色んな人が訪れる。 店主は愛国心を、日本人の誇りを説き、教師はそこはかとない不安を話す。 「偉人を作り出すために賊を作り出すのは間違いだ」と。 愛国を説いてるおじさんも、最後には句がごっちゃになって、 「富士はおまけ」 と人に教えてしまう。