「月日」の感想
月日
つきひ
初出:「北條民雄全集 上巻」創元社、1938(昭和13)年4月25日

北条民雄

分量:約10
書き出し:一歩一歩注意深く足を踏みしめて、野村は歩いた。もう二年間も埃芥にまみれて下駄箱の底に埋もれてゐた靴であつたが、街路を踏みつける度に立てる音は、以前と変りのないものであつた。電車、自動車、馬車、その他凡ての都会の音響が、盛り上り、空間を包んで野村にぶつかつて来たが、靴音はやはり足の裏で小さく呟いて、彼の体を伝つて耳許まで這上つて来た。野村は今かうして自由に街を歩き廻つてゐる自分を考へると、解き放たれ...
更新日: 2016/08/28
芦屋のまーちゃんさんの感想

幸福の黄色いハンカチ、のようにはいかぬ。刑務所に入る夫を出所まで持てる妻はそうそういない。それ以前に離婚だな!

更新日: 2016/08/22
5d05c421a16bさんの感想

暗くて悲しい話ですね。いつの世にも月日を経る中で、自分が疎外されていくように思うものですね。