「童貞記」の感想
童貞記
どうていき
初出:「山桜」1934(昭和9)年7月号

北条民雄

分量:約3
書き出し:部屋の中ではかなくうら悲しい日が続く。万象を浮せる一切の光線は湿つて仄暗い。夕闇のやうに沈んだ少年の眼は空間にゆらぐ幽かな光線を視つめる。空気に映つた光線は静かに一つの映像を刻んで行く。光線は盛り上り広まり伸びて鮮明な像を少年の眼に映す。少年の眼はやがて閉されて心に映つた幻像の動きに見惚れる。じつと、じいつと視つめる少年の心が宙に浮き上つて空間をさまよふ。われを忘れんとした間髪、少年の眼はうるんで...
更新日: 2018/09/06
いちにいさんの感想

処女と童貞は平行線を行く 彼女の名前を呼ぶだけで、2人は交わることができる。 しかし、彼が彼女の名を呼ぶことはそれはそれは一生一代の重い重い重大な大仕事なのだ。 それが、童貞の童貞たる所以なのだ。 幼稚園児は好きな異性を故意に苛める行動を起こすものだ。それと童貞の行動は似ている。 全ての行為が恥ずかしいのだろう。 嫌われたらどうしよう?とか、正しい性交の仕方を知らず自信がない。相手も処女ならお互い気にする必要はないのだが、失敗を恐れるのだろう。 過去の自分を思い出せ!貴様も俺も同じだったはずだ! 童貞に性交は麻疹みたいなものだ、といっても理解しないだろう。 恐らく夢のような至福の時を未だ知らぬ性交に思いを馳せているのだ。

更新日: 2017/02/22
c4ef1a62b0d6さんの感想

う)ーん 描写はすばらしいのかも

更新日: 2017/02/05
870383b32e6aさんの感想

なんというか、癩病によってそこから先の経験は出来なかったのだろうか?

更新日: 2017/01/29
芦屋のまーちゃんさんの感想

彼女の名を呼ぶだけのことが、それ程までに大仕事なのか? 50才も過ぎた男では想像すらできない。 過去の記憶を紐解けば、確かに小学生時代は女の子と2人だけに偶然なっただけで黒板に相合い傘が落書きされた純情さがあった。 だから本当に好きな子には逆にぶっきらぼうな悪戯をしたものだ。 「できちゃった婚 」なんて聞いたら当時の男女はどんな化学反応を起越すだろうか?