「間木老人」の感想
間木老人
まきろうじん
初出:「文学界」1935(昭和10年)11月号

北条民雄

分量:約46
書き出し:この病院に入院してから三ヶ月程過ぎたある日、宇津は、この病院が実験用に飼育してゐる動物達の番人になつてはくれまいかと頼まれた。病院とはいへ、千五百名に近い患者を収容し、彼等同志の結婚すら許されてゐるここは、完全に一つの特殊部落で、院内には土方もゐるし、女工もゐるし、若芽のやうな子供達も飛び廻つてゐて、その子供達のためには、学校さへも設けられてあつた。患者達も朽ち果てて行く自分の体を、毎日ぼんやり見...
更新日: 2021/02/28
姓名さんの感想

北条民雄の師である川端康成から激励を受けたと言われる本作品。主人公と老人との、奇妙で偶然が重なった出会いが書かれている。 その過程の紆余曲折はどれほど不思議な物でも、最後は北条自身も入っていたハンセン病患者の収容施設が舞台であるからして、逃れられない運命に収束していくのは無情

更新日: 2019/10/30
19双之川喜41さんの感想

 不治の病の 治療のために  隔離された 病院に 収容された 男は 気になる風格をもつ老人に出会う。 謎解き 仕立てでありながら  高い 完成度を示す。 深く 心を 打つものがあり 読んでおいて良かったと 感じた。