「続重病室日誌」の感想
続重病室日誌
ぞくじゅうびょうしつにっし
初出:「文學界」1937(昭和12)年12月号

北条民雄

分量:約17
書き出し:九月二十四日。お天気は良いのだが、腹工合はどうも悪い。もう三ヶ月あまり続いてゐる下痢がどうしてもとまらぬのだ。午後女医のN先生が来診。明日九号病室へ入室なさい、と。これで重病室へ這入るのは三度目である。前は七号で神経痛だつたが、今度は胃腸病だ。胃腸病なぞばかばかしいと思つていい加減にあしらつてゐたのがいけなかつたのだ。何にしても今年はろくな事のない年だ。正月元旦から神経痛でうんうん唸つてゐたし、そ...
更新日: 2016/09/26
芦屋のまーちゃんさんの感想

ライ病患者の苦しみは正直わからない。北条氏の作品を読んだとき、気の毒な人達だと思う程度で、すぐ日常に戻ってしまう。 この作品で、人間は冷たい動物故に愛は美しく温かい、ライ病患者はその事を一番知っている、と書いている。 ライの事は知らなくとも、例えば妻子が顔に大火傷を負ってケロイド状態にでもなったら、果たして以前のように愛することができるであろうか?自分がそうなったら、果たして妻子は私を愛してくれるだろうか?考えただけでも、とても恐ろしい! それ程、人間とは冷たい動物なのだ! 新婚の頃の愛が20年30年と必ず続くとは限らないのは日常においてもそうであろう。