有島武郎
暖かい海流と 冷たい海流が ぶつかるところに 濃い霧が 発生する。北国の人々は それを 「ガス」と呼ぶらしい。室蘭を出て 函館に向かう 小さな汽船で 潮霧(ガス)に 見舞われたけれども 惠山にもぶつからず なんとか目的地に着く。些事ながら 有島は 「魔女の 髪ように乱れた」という 表現を 他の文章でも 使っている。 お気に入りの表現 らしいと思った。