「大阪の一夜」の感想
大阪の一夜
おおさかのいちや

北条民雄

分量:約1
書き出し:十日ほども降り続いた梅雨があけると、おそろしくむし暑い日が続いて、街は、腐敗したどぶ川の悪臭が染み込んでぶくぶくと泡立つてゐるやうに感ぜられた。赤茶けた媒煙に煙つた陰鬱な低い空の下に並んでゐる家々は、なんとなく古ぼけて傾きかかつてゐるやうであつた。姙婦の腹のやうに丸く脹らんだ橋にさしかかると、車は一瞬仰向くやうに空を見て、橋上に乗り上るとすうつと地底に引き込まれるやうに坂を下つて街路を走り続けた。...
更新日: 2018/11/09
ecedc6dcdf58さんの感想

短い話だが、主人公の鹿野が車窓から眺める大阪のとある町の家並みにうつつを抜かしている様子が前半部分でうまく描かれ、後半部分で事態が逼迫している様子がよく伝わってくるが、前後の流れをもう少し書いて欲しい。この作者のシリーズもののひとつのショーケースなのかもしれないが、超短編としては成立しないのではと思わせる作品、と思ったら案の定未完成の作品だったのですね。失礼いたしました。

更新日: 2018/09/29
いちにいさんの感想

東京から新大阪へ向かう新幹線の車中で読んでいる。 一体、「この街」とはどこだ⁉️ 大阪の一夜、とタイトルにあるが、大阪と言っても、広い。 妊婦橋とはどこの喩えだ⁉️ あまりにも未完すぎる❗️